死亡一時金は夫の死から2年、寡婦年金は同じく5年の時効があり、両者とも市区町村の年金窓口に請求する。
一方、「自営業者でも、過去に厚生年金に加入していた時期があるケース」について注意を促すのは、社会保険労務士の蒲島竜也氏だ。
「自営業夫婦の夫が亡くなった際に、故人が個人事業主になる前はサラリーマンをしていたケースが結構あります。仮に会社員などで厚生年金に加入していた期間と、国民年金の加入期間、学生時代に国民年金の保険料を免除されていた期間などを合わせて25年以上あるなら、残された妻が遺族厚生年金を受給できる可能性があります」
自営業者の妻が結婚前に会社勤めをしていたケースも多い。そうした妻が亡くなった場合も、夫が遺族厚生年金を受給できる可能性がある。
過去の公的年金の加入状況を確認したければ、毎年の誕生月や59歳などの節目に送られてくる「ねんきん定期便」を確認する(別掲図7)。
定年後を賢く生き抜くためにも、受給や申請のミスをなくし、「年金の取りこぼし」がなくなるよう心懸けたい。
※週刊ポスト2021年10月1日号