ゲームと言えばテレビ画面で楽しむどころかスマホにかじりつくのが主流になりつつあるいま、一方で、確固たる人気を誇る昭和生まれのゲームがある。
1つは1968年の発売以来、累計1500万台以上を売り上げている『人生ゲーム』。時代に合わせて内容を変え、今夏発売した『大逆転人生ゲーム』は、67作品目となる。
「自粛期間中の2020年春から夏の間は大幅な需要増で、製造が追いつかないほどでした」(タカラトミー担当者・以下同)
ロングセラーの理由は、大人も子供も対等に楽しめる点だ。
「勝敗を分けるのは“運”だけですから。対戦相手と会話をしながら進めていくことで、豊かなコミュニケーションが生まれます。テレビゲームに夢中だった子供との交流に役立ったとの声もありました」
もう1つは、おなじみの『野球盤』。こちらは1958年の発売以来、現在で70台目を数える。
「投・打・捕という野球のおもしろさを再現するため、創業者の前田竹虎が研究を重ね、バネを利用した投球、ゼンマイで回転するバットを生み出しました」(エポック社担当者・以下同)
子供時代に「消える魔球」に夢中になった人も多い。
「最大の魅力は、野球の持つ駆け引きやホームランの喜びを、実際に再現し、体験できる点でしょう。これは、テレビゲームでは味わえない感覚です。アナログといっても、『3D機能』など最新技術を搭載し、常に進化をしているのも人気が続く理由です」
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2021年9月30日・10月7日号