里田さんが5歳の長女のために入会したのは、英会話とピアノと幼児教育。1歳の次女にはリトミックを選んだそうだ。月謝は4つのレッスンで月3万円弱。実際に教室へ通うことと比較すると、月謝は安く、交通費などはかからないものの、毎月の出費と考えると懐が痛いと嘆いていた。
「思い切って入会した習い事でしたが、娘たちが楽しそうに取り組んでいたのは最初だけでした。長女はオンラインレッスン中にパソコンを操作したがり、次女はお昼寝の時間と被っているのでグズグズ……。入会費を支払っているレッスンもあるので、簡単に辞めるわけにはいきません。先生からも『子供は気まぐれですからね』と励まされましたが、月謝も安くはないし、子どもたちが取り組まないならばやめたいのが本音です」
里田さんの話を聞けば聞くほど、そのオンラインレッスンは退会したほうが良いように思えたが、やめられないのには別の理由があることが分かった。
「実はオンラインレッスンを始めたことをSNSに投稿したんです。友人からは『いいね!』をたくさんもらいました。それなのに僅か半年足らずでやめてしまうのは恥ずかしくて……。子供のこと、お金のこと……勝手にいろいろと想像されたら嫌ですし。もう少し頑張ってみようと思います」
里田さんは夫からも「始めるなら子供の様子を見ながら決めたほうが良い」と指摘されていたそうだ。すぐにやめてしまうと、夫に何を言われるか分からないのも不安だと嘆いていた。
我が子の能力を引き伸ばしたい思いから、習い事を検討する家庭は多いだろう。コロナ禍でオンラインレッスンを導入する習い事も増えており、従来よりも敷居が低く感じられるかもしれない。それでも、入会前に子供に適しているか、費用が家計を圧迫しないかなどを考えることは相変わらず大事なようだ。