香港市場に活気が戻っている。9月12日はNYダウの急落を受けて、香港ハンセン指数は3.4%安となったものの、出来高は増えておらず、また、2日の終値を上回って引けている。9月9日には場中で24364ポイントを記録、2015年8月11日以来の高値を付けている。
7月の中旬には200日移動平均線、52週移動平均線を越えている。この時点で強気相場入りしたといえよう。その後も上昇トレンドを形成、9月5日には2015年秋の高値を超えており、大相場の気配さえ感じさせる値動きである。
上昇要因として、次の3点が指摘できる。
第1に、本土市場からの資金流入期待が挙げられる。今年の全人代以降、深港通(深セン取引所、香港取引所を通じて、本土個人投資家が香港株を、海外投資家が深センA株を買える制度)の開始が、いつ発表されてもおかしくなかったが、ようやく8月16日の国務院常務会議において実施案が批准された。
ただし、批准されたといっても、実際に深港通サービスが始まるのは12月以降である。また、2014年11月に滬港通(上海取引所、香港取引所を通じて、本土個人投資家が香港株を、海外投資家が上海A株を買える制度)が始まっており、深センA株を発行しているH株を除く主要香港株について、一定規模の本土投資家は上海市場を通じてすでに香港株を買うことができる。