市場経済を進めていくうえでは、必ず不平等、不公平が付きまとう。それはどこまで規制しても完全には防ぎきれるものではない。重要なポイントはどこまで許容するかであろう。
中国当局は、変わり身が早い。粛清を続けば景気は減速し、体制は不安定化する。それを察知した段階で真逆の政策(開放、自由化など)が行われるだろう。
国際市場では中国不動産開発大手・恒大集団(香港・03333)の経営危機に関して、新しい情報が出るたびに一喜一憂しているが、中国は異質な経済体制であるということをもっと意識した方がよいと思う。西側諸国の常識でこの危機を分析しようとすると、どうしても悲観的な見通しとなってしまう。
当局は金融危機を起こさないことを大前提として、恒大集団に対して経営危機に陥るまで、財務レバレッジの縮小を迫っている。忘れてはならない点は、この問題で景気が減速、金融市場が不安定化しそうになれば、当局はすぐにそれを阻止するために、景気を押し上げる政策を打ち出すだろうということだ。
当局は、様々な角度から、絶えず経済を凝視している。経済への悪材料が報じられたからといって、それがすべて金融危機に繋がると考えるのは早計ではないだろうか。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。