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【日本株週間見通し】日経平均は戻りを試すか 海外要因にも注意

先週は大幅に下落した日経平均、先週はどう動く?

先週は大幅に下落した日経平均、先週はどう動く?

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月27日~10月1日の動きを振り返りつつ、10月4日~10月8日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は5営業日連続で下落し、週間では1477.74円と大幅に続落した。中国恒大集団の資金繰り問題や米連邦政府の債務上限問題など外部環境の不透明感がくすぶるなか、米長期金利の上昇も警戒され、週初から相場は軟調だった。ただ、自民党総裁選の結果を見極めたいとの思惑のほか、緊急事態宣言の全面解除への期待などから、週前半は比較的底堅く推移し、日経平均は3万円台を維持していた。

 しかし、9月29日の日経平均は大幅下落で3万円を大きく割り込んだ。28日の米株式市場が急落したことが響いた。政府機関閉鎖リスクによる投資家心理の悪化に加え、米長期金利が6月中旬以来となる1.56%まで上昇したことが重しとなり、ハイテク中心に下落し、NYダウは500ドル超も下落。米株安を受けて下落してはじまった後、午後から投開票が進んだ自民党総裁選で、海外からの人気も高かった河野太郎氏の劣勢が伝わると、先物主導での仕掛け的な売りから急速に下げ幅を拡げた。引けにかけては、経済対策への期待などから下げ渋ったが、この日の日経平均は639.67円と大幅安となった。

 30日は、米長期金利の上昇が一服し、前日の米株市場も下げ止まりを見せていた中ではあったが、東京市場は朝方から軟調スタート。午前に発表された9月の中国製造業PMIが好不況の目安である50を大きく割り込んだことが投資家心理を冷やし、一時は下げ幅を大きく拡げる場面もあった。しかし、10月からの緊急事態宣言の全面解除に伴う国内経済活動再開への期待のほか、衆院選に向けた経済対策への期待などから下げ渋ると、日経平均は91.63円安の29452.66円と底堅さを見せた。

 ただ、週末10月1日の日経平均は681.59円安と再び急落。29000円を大きく割り込み、28771.07円で週を終えた。前日の米株市場で、NYダウが再び500ドル超と大幅に下落したことが波及した。米上下院が暫定予算案を可決し政府機関閉鎖が回避された一方、与野党が連邦債務の上限引き上げで合意できなかったことなどが投資家心理を悪化させ、月末・四半期末要因も加わったことが下落の背景。

 こうした米株安を受け、日経平均は下落してスタート。日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数が市場予想を上回ったこともあり、朝方下げ渋る場面があったが、時間外取引での米株価指数先物の下落とともに下げ幅を拡大すると、29000円をもあっさりと割り込み、一時28680.73円(771.93円安)まで下げた。岸田新内閣の組閣人事や衆院選に向けた経済対策への期待などから、その後は下げ渋ったが、29000円を回復するには遠く及ばない水準で週を終えた。

 今週の日経平均は戻りを試す展開か。米中に関する外部環境の不透明感が継続し、今後も不安定な動きを強いられる場面がありそうだが、衆院選に向けた機運や新政権による経済対策への期待もあり、先週の急落からの自律反発も相まって、相対的には戻りが期待される。

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