投資情報会社・フィスコが10月11日~10月15日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。今後発表される米国の経済指標が良好な内容であれば、連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の早期縮小観測は一段と強まり、長期金利の上昇を手がかりとしたドル買いが継続しそうだ。米連邦債務上限を12月上旬まで一時的に拡大する方針で与野党の指導部が合意したこともドル買い材料となった。
ただ、原油高などによってインフレ圧力はさらに強まる可能性があり、この動きを嫌って米国株式が下落した場合はドル相場を圧迫する要因となりそうだ。また、10月15日発表の9月米小売売上高は前月比マイナスとなる可能性が高いと予想されており、景気減速を警戒して米国株式が下落した場合も、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる見込み。1ドル=112円近辺で顧客筋や短期筋のドル売りが増えるとの見方もドルの上昇を抑える一因となる。
なお、米国経済指標では、10月13日発表の9月消費者物価コア指数(CPI)も有力な売買材料となりそうだ。前年比+4.0%と予想されており、上昇率は8月実績と同水準になりそうだが、9月消費者物価コア指数が市場予想と一致、または上回った場合、米国金利正常化への思惑で金利先高観は続く見通し。
【米・9月CPI】(13日)
13日発表の米9月CPIは8月実績の前年比+4.0%から横ばいとなる見込み。ただし、市場予想を上回った場合、ドルの押し上げ要因に。
【米・9月小売売上高】(15日)
15日発表の9月小売売上高は前月比-0.2%と、再びマイナスへ転落の見通し。8月分はプラスへ転じたが、消費の弱さが露呈されれば減速への警戒により金利安・ドル安の要因となろう。
・10月11日-15日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(欧)8月ユーロ圏鉱工業生産 13日(水)午後6時発表予定
・予想は前月比-1.5%
参考となる7月実績は前月比+1.5%。非耐久消費財、資本財の伸びが目立った。8月については、非耐久消費財と資本財の伸びが鈍化するとみられていること、ドイツの企業景況感は改善していないことから、ユーロ圏の鉱工業生産は前月比横ばいか、マイナスとなる可能性がある。