コロナ禍では、ゲーム市場が賑わいを見せた。プレイする時間が増えた人や、久しぶりにプレイするようになったという人も多いのではないだろうか。ただ中には、若い頃に比べて、できなくなったことが増えてしまい、ゲームを純粋に楽しめなくなり、「年を取った」と実感するケースもあるようだ。プレイヤーの生の声から、どんなときに加齢を感じるのかを探った。
チュートリアルが長くて挫折してしまう…
「あの情熱はどこに行ったんでしょうか。在宅時間が増えてゲーム時間が確保できたのに、私の“全盛期”では考えられないことが起きています」
そう嘆くのは、メーカーに勤務する30代男性・Aさんだ。かつてはRPG(ロールプレイングゲーム)やアクションゲームが大好きでいつもプレイしていたが、社会人になってからは据え置き機とは距離を置くようになり、スマホゲーム中心に変わった。全盛期だったという10代と20代半ば頃までは、当たり前にできたことが難しくなったという。
「年を取るごとに、据え置き機でプレイすることが難しくなった気はしていました。ベッドに寝転がりながら、スマホゲームをプレイする方が楽だと感じるようになったんです。また、アイテムを戦闘で集めるゲームがきつくなりました。オープンワールドゲーム(仮想世界を自由に探索できるゲーム)で、レベルアップや武器を強化するアイテムを集めることが苦痛。昔は気づいたら朝だったこともあるくらい、アイテムがなかなかドロップされないことすら楽しむことができたのに、今はイライラしかありません」(Aさん)
Aさんは、スマホゲームのプレイが中心になった今、基本操作を説明するゲームチュートリアルの段階で挫折しそうになったという。
「チュートリアルが長くて、なかなかゲームがスタートできないことが苦痛になってしまいました。説明が丁寧なことは良いのですが、もっと雑に世界に放り込まれてプレイしながら操作を身に着ける方が好きです。そうしたチュートリアルが長くても、辛抱強くリセマラ(*リセットマラソン。目当てのキャラが出るまでインストールとアンインストールを繰り返すこと)をしていた時期もありましたが、最近は粘っても3回ですね」(Aさん)
視点変更の操作なんて昔はなかった!
ゲームの進化や反射神経が追い付かないという人もいる。昨年、往年の名作がリメイクされたことをきっかけに、16年ぶりにゲームを再開したというのは、公務員の40代男性・Bさんだ。
「視点変更の操作が難しくて戸惑いました。昔は定年カメラが当たり前だったのでそんなことに悩む必要はなかったですから……。昔、夢中になった作品だったので、楽しみにしていましたが、飽きたわけでもないのに、数日離れただけでプレイしなくなってしまいました」(Bさん)