最大の注目は、脳梗塞の根治を目指す中枢神経系再生医薬で世界のトップランナーである点。同社が開発する再生細胞薬「SB623」は、すでに臨床第1相(第1段階)治験をクリア。
対象となった18名の患者はいずれも脳梗塞の後遺症に苦しんでいたが、「車イスから立ち上がった」「手足が動いた」など次々と「衝撃の結果」を見せている。
現在は臨床第2相後期(第2段階)の治験を進めており、来年12月にもその結果が判明。順調にいけば、20年にも上市する見込みだ。
また、この薬は応用・適用範囲が広く、外傷性脳損傷、加齢黄斑変性などにも治験を進める予定だという。
足元の業績を見ると、今期(2017年1月期)は減収で赤字幅も拡大など決してよくない。しかし、慢性的な脳梗塞後遺症患者は米国で680万人、日本で123万人と見られ、治験をクリアして上市に至れば、爆発的な伸びが望めるのは間違いない。
ただし、同社株が本格的な上昇を見せるまでには時間がかかる。来年12月の治験結果に向けて株価が動意づくのは、どんなに早くても来年6月以降だろう。
したがってまだ誰も注目していないこの時期、もっといえば今秋にも株価が下がるようなことがあれば、絶好の買い時となるに違いない。
むろん臨床試験が失敗するバイオベンチャー特有のリスクはあるが、その圧倒的な爆発力を見通せば、株価は「5年で30倍」も夢ではないはずだ。なお、同社と提携する大日本住友製薬(東証1部・4506)も注目しておきたい。
※マネーポスト2016年秋号