Jリート市場は株式市場ほどではないが、外国人投資家の売買比率が高く、世界的にリスク回避の動きが強まるとJリートも売られてしまうからだ。
ここで、2016年前半のJリート相場の動きを振り返りたい。東証REIT指数はマイナス金利政策導入決定後から大きく上昇し、4月25日に1970ポイントをつけた。
その後、1900台前半~1800台ポイント前半で推移していたが、英国の欧州連合(EU)離脱が国民投票で決まった6月下旬、約4か月半ぶりの安値1729ポイント(同月27日)まで急落した。
ところが、翌日すぐ反発し、6月末には1843ポイントとEU離脱ショック前の水準まで回復した。8月上旬は概ね1850ポイント前後で推移しており、Jリートの平均分配金利回りは3.4%程度を保っている。
英国のEU離脱ショックで一時大きく下げたのは、リスク回避が必要になった外国人投資家の売りが出たからだ。Jリートは上場投資商品である以上、リスク商品として認識される。
リスク回避の動きが強まれば、株式同様に売られてしまうのだ。今後も海外情勢の影響で、大きく売られる局面はあるだろう。
とはいえ、今回のEU離脱ショック時のように、瞬間的に価格が崩れても、すぐに落ち着きを取り戻して回復する場合もある。Jリートにこれから投資したいと考える人にとっては、こうした下げ局面は銘柄によっては買いの好機になるだろう。
※マネーポスト2016年秋号