加入対象がほぼすべての現役世代に拡大する改正法が成立したことで、個人型確定拠出年金(個人型DC)に注目が集まっている。
個人型DCは老後資金を目的に自分の専用口座で毎月投資信託などを積み立てる制度で、積み立てた全額が所得控除の対象になる点が大きなメリットだ。
所得税や住民税を軽減する効果が高いため、老後に備えながら現役時代からも恩恵を受けることができる。
しかも、運用益も事実上非課税で、受け取り時も退職所得控除や公的年金等控除の対象となる。結論としては、老後資金の形成手段としては圧倒的に有利で、使わなければ損といっても過言ではない金融商品だ。
これまでは自営業者や企業年金を持たない会社員など、老後の年金が手薄な層の「特権」だったが、2017年からはほぼすべての現役世代に門戸が広がる。
個人型DCは利用者には有利でも、金融機関にとっては利幅が薄い商品だ。信用金庫や信用組合も含めると200近い金融機関が提供しているが、多くは「片手間」で、広告もほとんどされてこなかった。
しかし、法改正で対象者が大きく拡大することで、今後は規模のメリットが生まれることになる。