ほぼゴミ同然のものを送るトラブルも
ここで素朴な疑問が生まれる。不用になった物品を寄付することがどれだけ支援につながっているのだろうか。お金の寄付が喜ばれるのは自明の理なわけで……。
「たしかにお金は何にでも使えるのと、管理コストがかからないので使い勝手はいいでしょう。ですが、なかにはお金を寄付することに抵抗感があるかたもいらっしゃるはずです。物品を送ったり、時間の寄付ともいわれるボランティアをしたり、あるいは支援活動の情報を拡散するだけでもその団体を応援する立派な活動です」(河合さん)
ただし、物品を寄付する際は細心の注意が必要だ。
「大掃除前の断捨離的な感じで、使わなくなったものを送って役立ててもらうこと自体はまったく問題ないのですが、なかにはほぼゴミ同然のものを送るトラブルもあるようです。食品にしても、賞味期限が大幅に過ぎたものが届けられたという事例を聞きました。受け取る側は仕分けしたり、処分したりせねばならず、支援につながるどころか活動の時間を奪うことになってしまいます」(河合さん)
そんな明らかに粗悪なものを寄付したわけではなくても、寄付する側と受ける側のギャップは起こり得るという。
「“お礼を言われなかった”とか“想像していたのと違う使われ方をした”“せっかく寄付したのに捨てられた”という声を聞いたこともあります。ただこれは受け取った相手がどんな気持ちになるかまでイマジネーションを巡らせると回避できることなのではと思います。“せっかくやってあげたのに!”ではなく、相手にも事情があることを考慮した方がいいですね」(小嶋さん)