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【日本株週間見通し】日米の決算発表が本格化 日経平均はどう動く?

国内でも7-9月期の企業決算発表が本格化

国内でも7-9月期の企業決算発表が本格化

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月18日~10月22日の動きを振り返りつつ、10月25日~10月29日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は反落。週間の下げ幅は263.78円(-0.91%)となり、終値で29000円を割り込んだ。

 今週から本格化する国内企業決算を前に様子見ムードが強いなか、商品市況の上昇を背景にしたインフレ懸念や米長期金利の先高観が引き続き警戒された。ただ、米国で主要企業の好決算が相次いだことが投資家心理を明るくさせた。また、週初は中国の7-9月期国内総生産(GDP)など主要経済指標が市場予想を下回ったことが嫌気されたが、今後の経済対策への期待から中国株・香港株が堅調に推移したこともあり、影響は限定的だった。日経平均は週半ばまで下値と上値を切り上げる動きが続き、20日は一時29489.11円まで上値を伸ばした。

 しかし、週後半21日は一転して546.97円安と急反落し、29000円を割り込んだ。米長期金利の上昇が警戒されるなか、半導体製造装置の蘭ASMLが決算発表後に売られ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が下落したことで、東京市場でも値がさハイテク株が崩れた。それでも心理的な節目の29000円手前では下げ渋る動きが見られていたが、正午頃から香港株が下落に転じたことをきっかけに、短期筋の先物売りが嵩むと、午後から急速に下げ足を速める展開に。また、日本郵政<6178>の政府保有株売却に伴う国内勢のヘッジ売りなども相まったようで、東京市場だけが独歩安を強める様相となった。

 週末22日も寄り付き直後は売り優勢の流れが続いたが、前日からの突っ込み警戒感もあり、心理的な節目の28500円を手前に下げ渋る展開に。原油先物相場が下落しインフレ懸念が和らいだことや、電気自動車(EV)の米テスラが好決算で買われ、前日の米株式市場でナスダック総合指数が上昇していたことも相場の下支え要因として働いた。また、経営危機に揺れる中国恒大集団が23日に猶予期限が切れる米ドル債の利払いを実施すると伝わったことで安心感が台頭すると、一時は28989.50円まで値を戻した。しかし、今週からの企業決算や月末の衆院選投開票を前に様子見姿勢の投資家も多く、戻り待ちの売りに押されると、結局、29000円を回復できずに週を終えた。日経平均は週間では2週ぶりに陰線を形成、ただ、終値では13週、26週移動平均線上を維持した。

 今週の日経平均はもみ合いか。いよいよ国内でも7-9月期の企業決算発表が本格化する。週前半から注目度の高い決算が相次ぐ。日経平均など指数のパフォーマンス、日本株全体のパフォーマンスを左右するのは、全体に占める比率が高い製造業であるため、この分野に絞って挙げると、26日の日本電産<6594>、27日の信越化<4063>、ファナック<6954>、SCREEN<7735>、28日のキーエンス<6861>、ソニーG<6758>、HOYA<7741>、コマツ<6301>、アドバンテスト<6857>、ローム<6963>、29日のデンソー<6902>、村田製作所<6981>、レーザーテック<6920>などが注目される。

 上期実績の上振れ度合いや下期の見通し、通期計画の上方修正幅などがポイントとなる。先週はディスコ<6146>が好調な決算を発表し、週末に半導体関連株が軒並み急伸するなど、素直に内容を評価する動きが見られた(むろん、蘭ASMLの決算を受けた前日の下落の反動もある)。不動産業を中心とした中国経済の減速のほか、供給網の混乱や世界的な電力不足、資源価格の上昇、急速な円安進行などを背景に、今回の決算に対しては事前からかなり警戒感が強い。その分、期待値(ハードル)は高くないともいえ、良好な決算となれば、ディスコのように素直に反応するケースが多く見られる可能性がある。

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