投資情報会社・フィスコが11月1日~11月5日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。今週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は、ハト派寄りの政策姿勢と予想され、長期金利の上昇は一服することから、ドル売りが優勢となる可能性がある。ただ、10月雇用統計など経済指標が堅調なら、将来的な利上げへの根強い期待がドルを支えそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2-3日のFOMCで資産買入れの段階的縮小(テーパリング)開始を決める公算。早ければ11月中に債券買入れの縮小を開始し、2022年半ばには完了するシナリオがすでに織り込まれている。
政策金利の引き上げを巡って、金融当局者の間で見解の相違が存在することが指摘されている。パウエルFRB議長は10月22日の講演でテーパリングの重要性に言及しながらも、利上げには慎重な姿勢を強調しており、今回のFOMCでは早期利上げに慎重なスタンスに集約される可能性があろう。11月会合でも今後の政策金利に関し強気な見解は聞かれるだろう。10月米雇用統計は非農業部門雇用者数が2カ月連続減の反動により大幅増が予想され、金利高・ドル高の要因になりやすい。
なお、他の主要中銀の金融政策も注目される。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は10月28日、理事会後の記者会見で、「高インフレの局面は想定以上に長期化する」と述べており、将来的な利上げの思惑が浮上している。一方、黒田日銀総裁は足元の円安を容認しており、市場がこの点に着目した場合、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
【米・10月ISM製造業景況指数】(11月1日発表予定)
11月1日発表の米10月ISM製造業景況指数は60.3と、前月の61.1を下回る見通し。FRBの政策決定を前に減速が警戒されれば、金利高・ドル高の流れは一服しよう。
【米・10月雇用統計】(11月5日発表予定)
11月5日発表の米10月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+40.0万人、失業率は4.7%の見通し。雇用者数は2カ月連続で予想を大きく下回っており、その反動で増加すれば回復が意識されよう。