来年に向けて日本経済の回復が期待されるなか、どうすればその恩恵に与れるのか。活況が見込めるとはいえ、株投資にリスクがあるのも事実だ。大切な財産を守りながら増やすうえでは、「株主優待」に注目する選択肢もあるだろう。
投資のプロたちは、すでに「コロナ後」の日本株の復活を見越して動き始めている。マーケットバンク代表の岡山憲史氏が言う。
「岸田政権は来年の参院選に向けて、積極財政で消費を拡大、企業業績を回復させ、株価上昇の好循環を生み出すことが最重要課題。今後の株高に期待が高まります」
ただし、元本保証ではない株投資にはリスクがつきもの。投資経験の少ない個人が上昇気流に乗るための注意点を、こころトレード研究所所長の坂本慎太郎氏が指摘する。
「株投資に不慣れな人は“資産を減らさない”ことを優先して考えましょう。株の大きな値上がりを狙うと、急激な下落で損をするリスクとセットになってしまう。そこで、株を持っているだけで得られる利益、いわゆる“インカムゲイン”を狙う投資法を推奨します」
注目したいのが「株主優待」の手厚い銘柄である。企業が株主に対して、自社製品やサービスの優待券などを“プレゼント”する仕組みのことだ。
「この年末から年度末(来年3月末)にかけては株主優待の手厚い銘柄をしっかり選べるチャンスと言えるでしょう。特にコロナ禍で営業自粛を強いられていた飲食店やレジャー施設は、全面的な営業再開により株主への還元に注力しやすい状況が生まれたので、注目に値します」(坂本氏)
別掲表は、坂本氏と株主優待に詳しいファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が挙げた注目の優待銘柄25の一覧だ。
毎年安定した収入に
株主優待の恩恵を受けるには、銘柄ごとに異なる「権利確定日」の2営業日前の「権利付き最終日」(今年11月末なら26日)に、その株を保有している必要がある。
まず、11月末に権利が確定するのが不動産事業を手がけるサムティだ。
「全国13ホテルで使える無料宿泊券がもらえる人気銘柄です」(森田氏)