投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月1日~11月5日の動きを振り返りつつ、11月8日~11月12日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は大幅続伸。週間の上げ幅は718.88円(+2.49%)となり、終値で29500円を優に超えた。事前に懸念されていた衆院選において、自民党が安定的な国会運営に必要とされる絶対安定多数を獲得したことが好感され、週初から日経平均は754.39円高と急伸し、9月30日以来となる29500円を回復。
その後も、良好な企業決算を背景に連日で過去最高値を更新する米株式市場を追い風に、利益確定売りをこなしつつ堅調な動きが続いた。祝日を挟んだ後の4日には再び273.47円高と大きく上昇し、日経平均は高いところで29880.81円まで上昇した。2日から開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想どおり量的緩和の縮小(テーパリング)開始が決まったが、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレは一時的」との見方や利上げへの慎重姿勢を再表明。総じてハト派的な内容と受け止められ、これが株式市場全体の押し上げにつながった。
週末は、前日までの上昇の反動が出やすいなか、週末の10月米雇用統計を見極めたいとの思惑もあり、週末イベントを前に持ち高調整の売りから反落したが、健全な調整にとどまり、29611.57円で週を終えた。日経平均は週間形状では2週連続で陽線を引いた。
今週の日経平均はもみ合いか。国内企業の7-9月期決算発表が終盤戦に入る。海外の物価関連指標など注目材料もあるが、基本的には企業決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。
週初からソフトバンクグループ<9984>など注目企業の決算が予定されている。指数インパクトも大きいだけに結果と株価反応が注目される。そのほか、株価に反映されるのは翌週となるが、週末には東京エレクトロン<8035>の決算が控える。業績好調であることは間違いないが、業績予想の上方修正幅などに注目。これまでのところ、半導体周りの企業決算は群を抜いて良好で、SCREEN<7735>、東京エレクトロンは先週に上場来高値を更新。こちらも指数インパクトが大きいだけに、株価反応は重要。良好な結果となれば、年末までの相場のけん引役は再びハイテク株となることが期待される。
株式市場全体としては引き続き堅調な展開が想定される。先週に開催された米FOMCでは上述したように、総じてハト派的な内容となった。また、4日、利上げが有力視されていた英国では、英イングランド銀行(中央銀行)が予想に反して政策金利を据え置いた。声明では今後数カ月の間に政策金利の引き上げが必要になるとの認識を示したが、足元のインフレよりも早期利上げによる景気回復の腰折れを懸念している様子。