食品のモニターも“おいしい仕事”だ。参加経験のある60代男性が言う。
「ハンバーガー、菓子パンなど、コンビニやファストフードの新商品を試食し、味の印象や感想などを他の参加者と討論してからアンケートに答えます。タダで新商品を食べられるうえ、約2時間で3000円もらえました」
あらかじめモニター募集のサイトに登録しておくと様々な案件が送られてきて、抽選で決まる。企業は対面で答えるアンケートなどをコロナ禍で減らしてきたが、今後は徐々に機会が増えてくるとみられる。
自分自身がお金になる
テレビや広告などのエキストラも、今後は需要が増えると予想される。
「現在は80代の女性を急募しています」
そう話すのは、「シニアモデル」に特化した芸能事務所・アンコールプロダクションの平岡史衣氏。
「テレビや映画のほかに、企業のプロモーションビデオへのエキストラ出演といった案件が今後増えそうです。謝礼は、テレビ・映画の場合は最低でも交通費プラス5000円で、企業の案件だと交通費プラス1万円程度になります。
同じく、広告や出版物などに使われるイメージ写真の被写体になるストックフォトモデルも需要が増えそうです。子供や孫と触れ合うといったシーンのモデルになるもの。1日の拘束で、数千円から1万円ほどの謝礼です。最初は恥ずかしくても、撮影を重ねて段々と自信をつけて元気になっていく人は多いですよ」
現役世代なら会社を休むわけにはいかないが、比較的時間の融通が利く世代なら、こうした1日がかりの“非日常”を体験しながら対価を得るのもいいかもしれない。
※週刊ポスト2021年11月19・26日号