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世にも悲惨な「不合格」事件簿 東大卒の秀才が免許の学科試験で連続落ちも

「サクラチル」とは風流な表現だが…

「サクラチル」とは風流な表現だが…

 試験というものは「絶対」が存在しないもの。“落ちてはいけない試験”だと思って臨んだにもかかわらず、「不合格」の通知を受けて愕然とした人もいるだろう。だが、後から考えれば、そこまで深刻な話ではなかったかもしれない。また、他の人たちのもっと悲惨な体験談を聞けば、「自分はまだマシだった」と思えるかもしれない。

 Sさん(40代男性)は東北地方の私立高校出身。大学受験の合格発表で悲劇が起こった。Sさん本人が振り返る。

「もともと高校受験で失敗して滑り止めだった私立高校に通うことになり、中学の同級生たちを見返してやろうと奮起したんです。在学中の成績はずっとトップで、調子に乗って東京大学を受けることにしました。その高校からは東大合格者が出たことはなかったので、教師の期待を一身に受けて試験を受けました。

 合格発表の日は卒業式と重なっていて、迷った末に合格発表を見に行くことを選びましたが、これが大きな失敗でした。卒業式はとっくに終わっていたのに、教師全員、500人以上いる同級生、卒業式に出た保護者が、私の合否の結果を知るために体育館で待っていたんです。しかし結果は不合格。それを伝える電話を学校に掛ける時は、本当に『このまま消えてしまいたい……』と思いました」(Sさん)

 都内の有名私大には合格したものの挫折感が大きく、「同窓会には一度も顔を出していない」とか。そんなSさんは在学中、ある意味でSさんよりも悲惨なケースを目撃している。

「高校では英検の準2級を取ることがノルマとして課せられており、落ちると補習を受けなくてはいけません。これが生徒にとても不評で、ヤンチャな生徒が『こんなに勉強させるなら、先生は当然1級なんですよね?』と迫ったところ、その先生は1級を持っていないことが判明。引っ込みがつかなくなったその先生は1級の試験を受けましたが、落ちてしまったんです。そのせいなのかどうかわかりませんが、先生はすぐ辞めてしまいました」(Sさん)

 英検1級は高校の英語教師でも簡単に受かる試験ではないが、高校生たちはそんなことは知らなかったようだ。

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