同期で一人だけ宅建に落ちて…
誰もが取りこぼすはずがないと信じていた試験に落ちたのはNさん(40代男性)だ。Nさんは現在、超一流国立大学の准教授。誰もが認める秀才だが、思わぬところに落とし穴があった。Nさんの同級生がいう。
「Nは地元では知られる進学校だった高校でも成績はダントツ。東大にストレートで進み、海外の大学や研究所などを経て、研究者として大学に残っています。そんなNは20代の時、車の免許を取るために教習所に通いましたが、運転免許センターの学科試験に2度も落ちました。本人は『埼玉県は日本一難しいんだよ』などと冗談を言っていましたが、周りの友人は『勉強のし過ぎじゃないのか』『本当はバカなんじゃないのか』と言いたい放題で、すっかりいじられキャラです」(Nさんの同級生)
恥ずかしい思いをしただけならまだマシかもしれない。Tさん(40代男性)は入社してすぐに、出世の道を断たれたと嘆く。
「私が就職活動をした年は氷河期の真っ只中でしたが、幸運にも大手不動産会社に就職することができました。ただ、入社後に宅建(宅地建物取引士資格試験)を取るように言われたものの、それに大苦戦。会社で受けた模試の点数が悪すぎて人事から呼ばれ、出勤しないで自宅で勉強したのですが、それでも試験は不合格でした。クビにはなりませんでしたが、明らかに同期との扱いが変わり、翌年に何とか合格したものの、早々に子会社に送られました」(Tさん)
宅建は決して簡単な試験ではないが、十数人の同期の中で落ちたのはTさんだけだったとか。
ある私立歯科大では、“シャレにならない事件”が起きた。同大で教鞭をとるOさんがいう。
「ウチの大学はレベル的には“中の下”ですが、ずっと優秀な成績を収め、総代として表彰された特待生の学生が、7割近くが合格する国家試験に落ちてしまったんです。前代未聞の事態に学校関係者は大慌て。OBからは『何をやっているんだ!』と叱責され、一部の教員が『(国家試験の)問題が悪い』『採点ミスだ』と騒いで業界の笑いものになり、噂が広がったのか翌年の受験者は大幅に減り……とにかく大騒ぎでした」(Oさん)
たしかに不合格は残念だが、それで人生終わりじゃない。たくましく生きてほしい。