──逆に、シニア世代以上を対象としたビジネスは需要が一段と増えていくと思います。
水野:当社では「パワード ライフ」と呼んでいますが、たとえば高齢者の加齢とともに衰えた運動機能を、スポーツテクノロジーを活かしたウエアやシューズなどを開発しています。
コロナ禍で以前にも増して健康志向が高まってきていますから、一般の方々が体力を維持していくためトレーニング機器やプログラムの開発なども進めています。ここでも、スポーツ用品メーカーとして蓄積してきた技術とデータが活きると思います。
──団塊世代の水野社長自身は、どんな自社製品を使っていますか。
水野:ゴルフはこの歳でも一生懸命やっておりますので、ゴルフクラブを使っています。フルマラソンはさすがに無理ですが、チャレンジラン(8.8km)に参加する時には「ミズノ」ブランドのシューズやウエアを自分で選んでいます。
膝痛持ちなので、商品開発者から「膝の痛みを和らげるサポーターを試作したので、しばらく着けて感想を教えてほしい」と言われるなど、シニア向け新商品のモルモットにもなっています(笑)。
【プロフィール】
水野明人(みずの・あきと)/1949年、兵庫県芦屋市生まれ。1974年、米イリノイ・ウエスレイアン大学経営学部卒業後、1975年にミズノ入社。1984年に取締役。その後、常務、専務、副社長などを経て、2006年より現職。
【聞き手】
河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。
※週刊ポスト2021年11月19・26日号