荒れ狂う自然災害に保険で備えるコツ
熊本県在住の会社員・Y代さん(40才)は、家を新築した直後に熊本地震で被災した。
「夫婦でお金を貯め、念願の一戸建てを新築。ところが、住み始めた直後に地震で家が半壊。火災保険には入っていても地震保険は未加入だったので、再びローンを組んで建て直すか迷っています」(Y代さん)
ここで注意すべきは、地震や噴火、津波による損害は火災保険で補償されない点だ。
「火災保険を契約せずに、地震保険のみ契約することはできません。契約金額は、火災保険の30~50%以内と設定されており、地震保険は生活再建の色合いが強いのが特徴。ただ同時に、地震保険も契約しておけば、家再建時の二重ローンの軽減や、被災後の生活費に使うことができます」(日本損害保険協会広報室)
ファイナンシャルプランナーの長尾義弘さんによれば、地震保険を建物と家財で分けてつけることもできる。
「賃貸マンション住まいなら、家財に地震保険をつけるのがおすすめです。食器や電化製品は、地震での損害に応じて保険金がおります」
最近は豪雨による風水害が急増し、いつどこが被災地になってもおかしくない。岡山県在住の専業主婦・E子さん(55才)は、2018年の集中豪雨による洪水で、床上浸水の被害に遭った。
「この場合、建物と家財両方の火災保険に加入する際に水災補償をつけておけば、被害に応じて、濡れてダメになった家財一式や補修の保険金が出ます。車も車両保険に入っていれば、水没による損害が補償されます」(長尾さん)
自宅や駐車場の位置をハザードマップで確認し、水災に備えておくことも重要だ。
【プロフィール】
巽好幸さん/ジオリブ研究所所長。神戸大学名誉教授。日本の地球科学者で、専門はマグマ学。著書に『和食はなぜ美味しい 日本列島の贈りもの』(岩波書店)ほか。
長尾義弘さん/ファイナンシャルプランナー。NEO企画代表。最新刊に『運用はいっさい無し!60歳貯蓄ゼロでも間に合う老後資金のつくり方』(徳間書店)など著書多数。
※女性セブン2021年11月25日号