投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月15日~11月19日の動きを振り返りつつ、11月22日~11月26日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は反発。週間の上げ幅は135.90円(+0.46%)となった。週初15日は好調な7-9月期実績及び通期計画の上方修正を発表した東京エレクトロン<8035>の大幅上昇を手掛かりにハイテク株を中心に買いが入り、日経平均は166.83円高の29776.80円となった。16日は材料難のなか朝方はもみ合いが続いていたが、米中首脳協議の結果が伝わると、香港ハンセン指数などが強含み、日経平均は一時29960.93円まで上昇。しかし、ヘッドラインに反応した機械的な買いにとどまり、失速すると、結局31.32円高と小幅高にとどまった。
週半ばからの日経平均は、近くて遠い3万円を手前に根強い売りに押される展開となり、17日、18日と続けて下落。米国では10月小売売上高が予想を上回ったこともあり、好決算を発表したホーム・デポなどの小売企業が買われたほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が史上最高値を更新するなどの追い風もあり、東京市場でも半導体関連株は堅調だった。しかし、鉄鋼や海運などの市況関連株を中心にその他のセクターが冴えず、日経平均は軟調な値動きに。18日には一時29402.57円と29500円を割り込む場面もあった。午後には岸田政権が打ち出す経済対策の規模が財政支出ベースで55.7兆円に及ぶとの報道をきっかけに、一時上昇に転じる動きも見られたが、買いは続かず、結局、下落した。
ただ、週末の日経平均は147.21円高の29745.87円と3日ぶりに反発。米半導体メーカーのエヌビディアが第3四半期決算において市場予想を上回る実績及び第4四半期見通しを示したことで、再びSOX指数が最高値を更新。これを刺激材料に週末は半導体関連株が改めて相場のけん引役となった。東京エレクトロン、SCREENHD<7735>などが朝方から大幅高で上場来高値を更新、午後は信越化学<4063>、TDK<6762>、キーエンス<6861>など他の主力株も上げ幅を拡げ、日経平均は大引けまで騰勢を強める、引け味のよい終わり方となった。
今週の日経平均は一進一退か。米国の半導体メーカーや小売企業の決算発表も終わり、注目企業の決算は一巡した。米中の小売売上高をはじめとした注目の経済指標の発表も終えたことから、ここからは一段と手掛かり材料が乏しくなる。その分、米国の期待インフレ率や長期金利の動向のほか、為替など外部環境の動きに影響を受けやすい展開となりそうだ。
国内では、19日に閣議決定された岸田政権による経済対策は財政支出で56兆円程度、事業規模にして79兆円程度と、従来よりも大規模になることが判明したが、相場の反応は限られた。給付金など分配政策が中心で、市場が求める成長戦略の色が薄いことや、一時は「当面触ることを考えていない」とした金融所得課税の引き上げについて、来年以降に本格的に議論する方向で調整に入ったとも伝わっており、こうした面が相場にネガティブに働いていると考えられる。成長に関する部分について、より具体的な話が出てこない限りは、日経平均が明確に3万円を回復するには今しばらく時間がかかりそうだ。