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【日本株週間見通し】注目企業の決算は一巡 日経平均は一進一退か

 今週は、国内は23日が祝日で休場の一方、米国は25日が感謝祭の祝日で休場となり、それぞれ立会いが4日に限られる。材料としては週半ばの24日に集中しており、米国で10月の耐久財受注、個人消費支出・個人所得、PCEコアデフレータ、新築住宅販売などの経済指標のほか、11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されている。

 11月のFOMCでは予想通り量的緩和縮小(テーパリング)開始が正式に決定された一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「インフレは一時的」との姿勢を維持し、早期利上げには慎重な見解を示した。しかし、その後に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアで前月比+0.6%と、9月の+0.2%から大きく加速。11月の政策決定会合で予想に反して利上げを見送った英国でも、10月のコアCPIは前年前月比+3.4%と9月の+2.9%から加速した。こうした背景から、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は2.7%台と歴史的な高値圏での推移が続いており、一時は後退した早期利上げ懸念も再び高まっている。

 このため、FRBが政策判断として重要視するPCEコアデフレータの結果や、11月FOMC議事要旨における将来の利上げに対する政策メンバーの見解などが注目される。材料難のなか注目度は高いとみられ、利上げ前向きな内容が窺えるとグロース(成長)株中心に利益確定売りの口実とされる可能性がありそうだ。

 個別では、引き続き好決算や国策テーマに絡んだところで半導体関連株に人気化した買いが向かいそうだ。7-9月期は供給網混乱、電力不足、東南アジアでの新型コロナ感染拡大など様々な懸念事項があり、多くの産業が苦しんだなか、半導体関連の企業決算は世界的にとりわけ好調で、「何だかんだ言ってやっぱり半導体は強い」という印象を強烈に残した。国内でも先週は、東京エレクトロン、レーザーテック<6920>、SCREENHDが上場来高値を更新し、ルネサスエレクトロニクス<6723>も4年ぶりの高値を記録するなど、半導体セクターの強さが際立った。全体的に材料難のなか、相対的な安心感のある半導体関連株には根強い買いが入りそうで、高値更新劇に期待したい。

 なお、今週は22日に米10月中古住宅販売、米5年債入札、23日に米7年債入札、24日に米7-9月期国内総生産(GDP)改定値、米10月耐久財受注、米10月個人消費支出・個人所得、PCEコアデフレータ、米10月新築住宅販売、FOMC議事要旨(11月開催分)、26日に10月都区部消費者物価指数、米ブラックフライデーなどが予定されている。

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