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卵子提供を受けた女性「わが子が生まれた瞬間、黒い気持ちが吹き飛んだ」

卵子提供を受けた女性の葛藤とは(写真はイメージ。Getty Images)

卵子提供を受けた女性の葛藤とは(写真はイメージ。Getty Images)

 不妊に悩む夫婦の割合が年々増えている。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、子供がいない夫婦の半数が不妊に悩み、全体の30%近くが、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある。

 38才から芸人として活動してきた、なかさとみさんもその1人だ。39才のときに再婚したなかさんだが、42才のときに子宮頸がんの手術を受けるも、翌年に再発。子供を産まないまま子宮を切除しなければならないかもしれないと考え、頭を殴られた気持ちになったという。

 なかさんは、44才で卵子提供を受けることを決断してから、わずか4か月で第1子を授かった。だが、妊娠を心からは喜べなかった。

「当時、同様に不妊治療を受けていた同い年の親友が、私から遅れること2か月後に、自然妊娠したんです。

 自分だって授かっているのに“どうして私だけ、自分の卵子で産めなかったんだろう”という嫉妬で、親友の妊娠を祝えませんでした。同じ年に妊娠したから、きっと将来、私たちの子供が一緒に遊ぶこともあるのに、そんな幸せな情景を想像することすらできないくらいに、嫉妬心が消えませんでした。“おめでとう”と思えないことも苦しくて、何度も神様を呪いました」

 なかさんは、涙ながらに「そんな黒い気持ちも、わが子が生まれた瞬間に吹き飛んだ」と話す。

 分娩台の上にいるなかさんに、助産師が「見て、あなたの赤ちゃんよ!」と声を掛けたという。

「“こんなにかわいい子が生まれたのに、どうしてあんなにどうでもいいことでずっと悩んでいたんだろう”と思いました。卵子提供で子供を産んだ人はみんな悩みますが、みんな“子供が生まれた瞬間にどうでもよくなった”って言うんですよ(笑い)」(なかさん・以下同)

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