約2年続いた巣ごもり生活により、人に会わず服を買わない人が増えたことで、大きな打撃を受けたアパレル業界。しかし、もしこのまま新型コロナウイルスの流行が落ち着くなら、来たる2022年はこれまでと全く違う景色が広がっているかもしれない。アパレル業界の“未来予想図”について、専門家に聞いた。
多くの人がこの自粛生活で身に覚えがあるように、コロナ禍での「非・移動社会」での暮らしは、とにかく太りやすい。その反動で、2022年はスリムな体形のブームがまたやって来るという。消費者経済総研チーフ・コンサルタントの松田優幸さんいわく、2022年は令和の“セクシー元年”だ。
「1990~2000年代に流行したY2Kファッションや厚底ブーツ、へそ出しスタイルのほか、ミニスカート、“ボディコン”のようなタイトな服など、スリムな体形の方が似合う、セクシーなスタイルの流行が復活します。バブルをほうふつとさせる、インパクトの強い青のアイシャドーや黒のアイラインもトレンドになるでしょう」(松田さん・以下同)
2022年、タイトなファッションを好むようになるのは男性も同じ。現在流行しているような体形を隠すオーバーサイズのファッションは鳴りを潜め、メンズも体のラインが出るような小さめの服が流行るという。
「いま、ユニクロではレディースの洋服が男性に売れ始めています。だぼっとしたメンズサイズだと“おじさん体形”に見えてしまう。レディースならシルエットがきれいに出て、細身かつスタイルがよく見えるのです」
では、もはや世界中の人がつけているマスクはどうか。顔のコンプレックスなどを隠せる側面から“マスク依存”となり、「マスクは顔のパンツ」つまり、もはや外すことの方が恥ずかしいと言う若者も増えている。
「2022年以降、コロナが収束したとしても、感染予防ではなくファッションアイテムとして、マスクの需要は継続するでしょう。予防効果が高いとされる不織布よりも、2022年はおしゃれで肌触りのいいウレタンマスクが人気を集めるはずです」