今年もクリスマスがやってくる。かつてクリスマスの過ごし方といえば、恋人同士で過ごすことが“定番”とされていた時代もあった。特に、バブル時代に青春を謳歌した世代のなかには、そのイメージが拭い去れないままアラフィフ、アラ還を迎えた人もいる。とはいえ、いまの若者たちには、そんな価値観はなくなっているようだ。バブル時代に若者だった人、現代の若者、両者の意見を聞いた。
バブルの時は「1年の最大のイベント」
「バブル時代のイケイケ感は異常で、まるで“戦争”でした。今が正常といえる状態だと思います」
そう回顧するのは、建設会社に勤務する50代男性・Aさんだ。バブル時代にはクリスマスを一人で過ごすことを自虐的に表現する言葉“シングルベル”という表現もあった。恋人へのプレゼントのために有名ブランドのアクセサリー売り場に大行列、高級店でディナーに舌鼓を打ち、一流ホテルに泊まる──。それがクリスマスの王道の過ごし方とされていた。
「レストラン、プレゼント、ホテルの代金は、男性がすべて支払う時代でした。人気のホテルは1年前から予約しないととれないといったことも当たり前。女性は○○のアクセサリーを恋人からもらうと幸せになれるみたいなジンクスもありましたね……。クリスマスが1年のうちの最大のイベントで、価値観も画一的な時代。僕は、当時付き合っていた彼女に『クリスマスを一緒に過ごせなかったから……』と別れを切り出されたこともありますよ(笑)。よく考えれば、クリスマスは子供がサンタさんを楽しみにするというだけでいいのでは、っていうね。まあ、商戦だったんでしょうね」(Aさん)
50代男性「今年のイブは金曜日だねえ」とニヤリ
時代は移り変わり、そんなバブリーなクリスマスの過ごし方も昔の話になった。メーカーに勤務する20代女性・Bさんは、職場の50代男性からクリスマスの予定を尋ねられ、「気持ち悪かった」と明かす。
「『今年のイブは金曜日だねえ』とニヤリとされたうえ、『クリスマスの予定はあるの?』『彼氏と過ごすの?』とセクハラまがいのことを聞かれました。『特に何もないです』と答えると、『寂しいクリスマスだな』『予定がなくてもあるっていうものだ』と言われ、ドン引きしました」(Bさん)
そもそもBさんは、昔からクリスマスイベントがあまり好きではなく、恋人と過ごす必要がどこにあるのかわからないと言う。
「街じゅうでクリスマスソングが流れて、最初は『あー、今年もこの季節かあ』くらいは思うんですけど、ずっと聴いていると飽き飽きします(笑)。あと、彼氏がいた時でも、お互いの誕生日は特別な日としてわかるんですけど、クリスマスって何で贈り物をするのかわからないというのが共通認識でした」(Bさん)