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「最後の長者番付」を振り返る 假屋崎省吾氏は「ぶったまげるような目に」

2005年発表の「最後の長者番付」にランクインしていた假屋崎省吾氏(時事通信フォト)

2005年発表の「最後の長者番付」にランクインしていた假屋崎省吾氏(時事通信フォト)

 かつて国税庁が発表していた「長者番付」は、所得税額1000万円を超える納税者の名簿を公示する制度で、これに基づいて高額納税者の順位が明らかになった。個人情報保護や犯罪抑止などの観点から2005年(2004年分)の発表を最後に長者番付は廃止された。

「テレビや新聞で初めて見て、こんなに税金払ってたの! って気持ちだったわよ」。そう振り返るのは、華道家の假屋崎省吾氏だ。

 天皇陛下御在位10年記念式典(1999年)などで花の総合プロデュースを手掛け、2000年頃に始めたタレント活動で知名度が急上昇。テレビのレギュラーをいくつも抱え、2005年発表(2004年分)の高額納税者ランキングの「文化人部門」で6位に入った。

「当時は40代前半で、働き盛りでした。テレビ出演がきっかけでディナーショーや講演会が増えて、華道家としての個展はもちろん、花に関わることはなんでもやらせていただきました。1日も休まず仕事していたので、長者番付は頑張って納税している証明だ、と晴れ晴れとした気持ちでした」

 同番付の発表はそれを最後に廃止された。それから17年が過ぎたいま、「最後の長者番付」を改めて振り返る。

「ここまで儲けていると、やっかみや妬みもあって、そりゃあ、ぶったまげるような目には遭いました。でも美輪明宏さんに言われた『見ざる言わざる聞かざる、そして関わらざる』がモットーなので。そんなマイナスオーラを受け取ったってしょうがない」

 そう假屋崎氏が言うように、当時、毎年5月に発表されていた長者番付は新聞やテレビで盛んに報じられ、ランク入りした経営者や著名人は「時の人」となり、羨望と嫉妬の眼差しを向けられた。

 2004年分の長者番付の「俳優部門」を見ていくと、1位には納税額2億101万円でみのもんたが、2位には同1億8745万円でSMAP(当時)の中居正広が入った。いずれもテレビで見かけない日はないほどだった。

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