「2010年卒と2011年卒として2回、就職活動をしましたが、それまでが売り手市場で大量採用だったので、先輩たちの就職活動のアドバイスが全然参考になりませんでした。とにかく落差がひどくて、内定率もグンと下がりました。
個人的な体感ですが、2011年卒として活動した時の方が、採用数がさらに減り、厳しい環境でした。2012年卒は東日本大震災とのダブルパンチだったはずです。その後、アベノミクスが始まってまた売り手市場に戻ったのですが、そういう事情は知られていないので、ゆとり世代というだけで、『就職活動ラクだったでしょ?』と言われると腹が立ちます」(Bさん)
Bさんは自分たちの世代の境遇について、思うところがあるという。
「生まれてからずっと不況を経験してきたように思います。私の話で言えば、小学生の時に山一證券が倒産し、中学生になった2000年あたりに企業のリストラも多かった。そのため将来の夢が公務員という人も少なくなかったです。
そんな世代が社会に出ても給料は伸びないし、希望を持てるわけもない。お金のかからない方法で楽しみや、ささやかな幸せを見つけても、『もっと大きな夢を持て』『最近の若者は欲がない一方で、すぐに会社を辞めて辛抱がきかない』などネガティブに捉えられることも多い。正直、勘弁してほしいです」(Bさん)
世代ごとに偏見や苦悩はあるものだが、「ゆとり第一世代」ならではの悩みは、根が深いのかもしれない。