2020年は、働く女性の自殺者数が急増した。厚労省は、非正規雇用といった近年の労働環境の変化と、コロナ禍が関連した可能性を示唆した。NPO労働相談センター副理事長の須田光照さんが言う。
「パートや非正規は雇用が不安定で、劣悪な労働環境でも正当な権利を主張することができません。よくIT成金が『そんな職場、辞めればいい』と強者の論理を振りかざしますが、辞めてもまた次の犠牲者が出るだけです。それに非正規や苦しい職場で働いていても、その仕事に誇りを持ち、もっと続けていきたいという人は多いんです。
早急に必要なのは、苦しんでいる人や仕事を続けたいと思っている人をサポートする体制です。コロナ禍で労働問題が明るみに出たいまこそ、過剰労働やハラスメントの問題解決に向かって、社会に働きかけるべきでしょう」
どんな職場環境でも改善できる可能性がある。悩んでいる人は弁護士の無料相談や労働組合などに相談してほしい。今年こそ、すべての人が働くことと生きることを楽しめる世の中にしたい。
※女性セブン2022年1月20・27日号