投資情報会社・フィスコが1月10日~1月14日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。2022年半ばとみられていた米国の利上げ時期は早まるとの期待が続き、ドル買い基調に変わりはないだろう。直近発表の経済指標では12月ISM製造業景況指数、先週分新規失業保険申請件数、12月ADP雇用統計など雇用関連が強い内容となり、FRBの一段の引き締めに思惑が広がりやすい。12月14-15日開催のFOMCの議事要旨では、利上げの迅速化とバランスシート縮小に向けたタカ派的な姿勢が鮮明になった。
ただ、一時116円35銭まで5年ぶりの高値圏に浮上したものの、1ドル=116円台で顧客筋などのドル売りが増える可能性があること、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染が日本を含めた世界各国で急増しており、ドル上昇は一服する展開となりそうだ。米国における新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数は100万人を超え、雇用情勢に影響が及ぶ可能性がある。FOMCに向け感染者の増加に歯止めがかからず、金融当局者から警戒姿勢が示されれば、リスク選好的なドル買い・円売りを弱める要因となりそうだ。
【米・12月消費者物価コア指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の米12月CPIは、前年比+5.4%と、上昇率は11月実績を上回る見通し。市場予想と一致した場合、早期利上げ期待につながりやすい。
【米・12月小売売上高】(14日)
14日発表の12月小売売上高は前月比-0.1%と予想されており、11月実績を下回る見込み。ただし、市場予想を上回った場合、個人消費の回復を期待して、株高・金利高・ドル高の要因となる。