投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月17日~1月21日の動きを振り返りつつ、1月24日~1月28日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で602.02円安(-2.14%)と3週連続で大幅に続落。3週連続で陰線を形成し、主要な移動平均線を大幅に下振れた。昨年8月第4週以来の安値水準で週を終えた。
東京市場は週後半から波乱含みの展開となった。前の週末の米国株高などを支援要因に週初17日は上昇し、18日も午前は堅調な展開だった。しかし、昼頃に日銀の金融政策決定会合において政策方針の「現状維持」が伝わると安心感で買いに勢いがつくと思いきや、日経平均は急失速。時間外取引で米10年物国債利回りが1.8%台半ばまで上昇し、時間外取引のナスダック100先物が大きく下落していたことなどが嫌気されたもよう。
19日の日経平均は790.02円安の27467.23円と急落。連休明けの米国市場で米10年国債利回りが2年ぶりの水準にまで上昇した警戒感からハイテク・グロース(成長)株を中心に下落。米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な金融引き締めを警戒した売りが続き、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安となった。この流れを引き継いで28000円割れで始まった日経平均は終日売り優勢の展開だった。
金融引き締め懸念がくすぶるなか米国市場ではナスダックやSOXの下落が続き、東京市場も20日は売り優勢でスタート。しかし、この日は自律反発狙いの買いが入ったほか香港ハンセン指数の大幅高が追い風となり、午前中頃から切り返すと買い戻しが続き、日経平均は305.70円高とプラスに転じる展開となった。
この流れのまま週末も戻りを試したいところだったが、20日の米国市場では金利低下に伴うハイテク株の買い戻しで中盤まで大幅高で推移していた主要株価指数が、取引終盤にかけて急速に売りに押され結局急落。この引け味の悪い流れを受け、週末21日の東京市場ではリスク回避の動きが先行し、半導体関連を中心にハイテクに厳しい売りが広がり、日経平均は一時27129.61円と、昨年8月以来の安値を記録。ただ、朝方の売り一巡後は下げ渋り、27522.26円まで戻して週を終えた。
今週の日経平均は神経質な展開か。25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ボラティリティーの高い相場展開が続きそうだ。
FRBの急激なタカ派シフトに戸惑う投資家が多いなか、ハイテク・グロース株を中心に日米ともに株式市場の下落基調が強まっている。FRBによる早期の金融引き締めが景気減速を招くとの見方から相対的に堅調だった景気敏感株にも売りが広がってきている。
信用買い残が依然として記録的な高水準にある日本だけでなく、米国でもマージン・デット(証拠金債務)は記録的な水準にある。こうした中で年始から相場が連日で大きく下落していることから個人を中心に投資家の含み損益は相当に悪化していると推察される。