大手総合商社のうち、とりわけ期待が集まるのがトップ3社だ。
「鉄鉱石、原油の権益生産量が日本の商社でトップを誇る三井物産の株価は割安感が強く、今後上昇する余地が大きい。三菱商事は温室効果ガスの排出量を50年までに実質ゼロにするなど、脱炭素社会への意欲的な取り組みが海外投資家から注目されています。伊藤忠商事は非資源分野に強みがあり、この先、資源価格が下落すれば一気に優位になるでしょう」(前出・平野氏)
プライム市場の創設とともに大波に乗りそうな主要銘柄もある。
「東証1部からプライム市場に変わることで経営環境に追い風が吹いて、株価上昇が期待できる大手企業は他にもあります。
国内シェア首位の半導体製造装置メーカー・東京エレクトロンは、世界的な半導体不足が続く中で海外投資家が熱いまなざしを送っています。世界的な金利上昇に伴う資金利ざやの改善が見込まれる金融業界では、国内最大の民間金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループに大きな見直し買いが入りそう。モデルナワクチンの日本製造を手がける武田薬品工業はがん治療や希少疾患の分野にも注力しており、高配当なのに割安な銘柄として魅力的です」(同前)
稼ぎ口のある大手企業が、さらに伸長していくとする見方だ。
※週刊ポスト2022年2月4日号