コロナ禍で、受講にも変化が
「ユーキャンでは、20年ほど前から簿記や宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(以下FP)のように、仕事に直結しやすい資格が講座のメインで、年間を通して見れば、現在も人気なのは変わりません。しかし、コロナ禍以降は、自身の興味のある分野──たとえば、インテリアや食関係、体のケアなど、収入が最優先ではなく『趣味と実益をゆるやかに兼ねた』資格が、女性の支持を受けています。その1つである『整理収納アドバイザー』の受講者は、コロナ前から2.7倍増加しました」(山本さん・以下同)
この傾向は若者より、35才以上の大人世代に顕著だという。さらに、コロナ禍で人気が集まったのがメンタルヘルス系の講座だ。
「弊社の『心理カウンセリング』は、主にご自身の悩みに対処するスキルを学ぶ講座ですが、昨年6月に開講したところ、あっという間にその月のトップ10に入りました。また、昨年9月に開講した『子ども発達障がい支援アドバイザー』は、人に相談できずに悩んでいたお母さんが自宅で学べる点もよかったのか、予想を上回る申し込みがあり、ニーズの高さを実感しました。メンタルヘルスの問題は以前からありましたが、コロナ禍で、さらにストレス過多の状況が増えていると感じます」
受講者数が激増するなか、落ち込みが激しい講座も。
「これまで人気だった外国語習得講座です。海外旅行もできない現在では、学んでも楽しいと思えないのかもしれません。受講講座の傾向には世の中の皆さんの思考が反映され、とても興味深いです」
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年2月10日号