コロナ禍で仕事を取り巻く環境が変わっている今、今後の仕事に役立てようと資格取得に興味を持つ人が増えているという。ひと口に資格といっても、国が認定する国家資格、各省庁が認定する公的資格、民間団体などが設定する民間資格がある。特に国家資格は数が少なく、難易度も高い。
では、女性にとって人気の資格は何か。通信教育大手の株式会社ユーキャンに聞いたところ、1位は医療事務、2位は調剤薬局事務だという。同社の山本裕美さんはこう話す。
「人気1、2位は、ここ数年不動の民間資格です。特別なスキルは不要ですが、あるとアピール材料になり、働く場所も身近にあります。パート、正社員と選択肢も広く、残業も少ないので、子育て中のかたは働きやすいと思います。5位の登録販売者も、以前は実務経験が必要でしたが、2015年に撤廃されて間口が広がりました」(山本さん・以下同)
3位は食生活アドバイザー。
「フードマイスターや野菜ソムリエなど食に関する資格はたくさんありますが、幅広い知識が学べる点で、人気が高い。家族の健康管理のために受講されるかたも多いです」
そして、いま脚光を浴びているファイナンシャルプランナー(FP)が4位だ。
「老後2000万円問題やコロナ禍の経済不安で、再び注目を集めています。国家資格で仕事に直結するうえ、個人のマネープランも設計できるため、主婦のかたにはいいことずくめの資格でしょう」
7位の宅地建物取引士は、男女問わず根強い人気。
「独占業務資格なので常に需要がありますし、資格手当も発生しやすい。社会保険労務士や司法書士、行政書士などの『士業』の中では取りやすく、学習範囲が重なるので、“士業の登竜門”ともいわれ、ダブルライセンスでキャリアアップを目指す人が多いです」
では、ここに紹介したもの以外で、仕事を得やすい資格はあるのだろうか?
「需要が高く、常に引っ張りだこなのは保育士です。知識がゼロでも、子育て経験がものをいいます。短大卒、大学に2年以上在学していれば、実務経験がなくても受験可能です。保育所だけでなく、託児施設、ベビーシッターなど、職場もいろいろ。ただ、高賃金を目指すかたには厳しいかもしれません」
企業に勤めている人は、仕事に必要な資格の取得費用の一部(最大20%)が雇用保険から支給される「教育訓練給付金制度(一般教育訓練)」を利用するのも手。支給には条件があるので、サイトで検索してみよう。