お金は、お金持ちのところに集まるという。もしその通りなら、庶民は、いつまで経っても貧乏ひまなし。だが、日々、時間と労力を使って頑張っているその節約法が、かえってお金が逃げる原因になっているケースもある。お金を貯めるための正しい節約は、どのようにすればよいのか。
例えばいま持っているクレジットカードも、本当にお得かどうか一度見直す必要がある。明治大学サービス創新研究所研究員で『攻めの節約』(WAVE出版)著者の生方正さんが指摘する。
「以前持っていたJALカードは、利用していないのに、年会費が1000円以上かかるので解約しました。ポイントが貯まるといっても、会費が割に合わなければ損です。マイルを集めたとしても、いまは飛行機に乗る機会も減っていますし、特にJAL、ANAは3年で失効するので、貯まったポイントやマイレージを消化し切れるかどうかも加味して検討を」(生方さん)
もし、もともと支出の管理が苦手なら、クレジットカードはいったん“封印”して、現金派になるべきだ。月に一度の明細を見ないと利用額がわからないカードとは異なり、現金管理を徹底すると、パッと見ただけでもだいたいの残高がわかるため、自分がどこにどれだけムダ遣いしているか可視化しやすい。だが、それでも、財布の中がゴチャゴチャしている人は、お金が貯まらない。家計再生コンサルタントの横山光昭さんが話す。
「現金のほかに割引券やクーポン、会員証、さらにはお守りまで入れて膨らんでいるような“ブタ財布”では、管理できるはずがありません。安くていいので、使いやすい財布に買い替えて整理を。あえて小さい財布にして、余計なものを入れられないようにすれば、自然と管理がラクになります」