25~26日に開催されたFOMC後のパウエル議長の会見は総じてタカ派的な内容だった。3月以降全ての会合での利上げを否定しなかったことで市場予想を大幅に上回る利上げ回数が示唆されたほか、政策金利は0.25%ずつ引き上げるのが通常パターンだが一回で0.5%引き上げる可能性も排除しなかった。また、量的引き締め(QT)については「大幅に減らす必要がある」と積極的な姿勢を見せつつも、具体的なスケジュールについては明言しなかった。
パウエル議長は想定以上にタカ派的な内容を示唆しながらも具体的な発言を避けたことで、市場が嫌う不透明感を緩和させるどころかむしろ強めてしまうという、最悪も同然の結果を招いた。結局、米金融政策を巡る不透明感は、政策金利見通し(ドットチャート)が示される3月開催のFOMCまでくすぶることとなった。
今週は米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する1月景況指数のほか週末には1月雇用統計の発表が控える。パウエル議長は「経済データを注視する」との姿勢を維持しているため、指標の注目度は依然高い。雇用統計が強めの内容となれば金融引き締め懸念が一段と強まりかねないため、週末まで模様眺めムードが支配しやすいだろう。
こうした中、日米ともに決算発表が多くなってくる。日本では31日にレーザーテック<6920>、コマツ<6301>、2月1日にキーエンス<6861>、村田製作所<6981>、HOYA<7741>、ローム<6963>、2日にソニーグループ<6758>、デンソー<6902>など注目度の高い企業が予定されている。また、足元株価が底堅い三菱商事<8058>などの商社関連が週後半に予定されている。今週は信越化学工業、富士電機、アドバンテスト、新光電気工業が好決算を発表し、地合いが悪いなかでも寄り天井とならずに大幅高で終えた。年明け以降の株価下落を受けて割安感も出てきているため、好決算は素直に評価されやすいと考えられる。
なお、今週は31日に12月鉱工業生産、12月商業動態統計、1月消費動向調査、2月1日に12月失業率・有効求人倍率、米1月ISM製造業景況指数、2日に米1月ADP雇用統計、OPECプラス、3日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会、英国金融政策決定会合、米1月ISM非製造業景況指数、4日に米1月雇用統計などが発表予定