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ブリヂストン・三菱自動車など コロナ後に「中国に事業売却・譲渡した」日本企業

コロナ以降に中国に「事業売却・譲渡した」日本企業一覧

コロナ以降に中国に「事業売却・譲渡した」日本企業一覧

 こうした傾向は、コロナ以降も続いている。出資先の中国関連会社や、中国で展開する自社子会社の中国企業への売却も増えている。背景に、製造拠点である中国で人件費が上昇してコストが掛かり、子会社を手放さざるを得なくなったという事情もあるようだ。

 元内閣官房参与で『日本を喰う中国』(ワニブックスPLUS新書)を上梓した京都大学大学院教授の藤井聡氏は、次のように警鐘を鳴らす。

「個々の企業に事情があるのはよく分かりますが、日本企業の固有の技術は、日本の競争力の源泉です。これが企業買収により中国に流出することは、問題と言わざるを得ません。さらに、日本企業の中国子会社であれば技術が流出する懸念はありませんが、オーナーが中国企業になれば、技術が流出する可能性があることは否定できません。日本政府が買収されないよう保護すべきです」

コロナ以降に中国に「事業売却・譲渡した」日本企業一覧

 以下、コロナ以降に中国に「事業売却・譲渡した」主な日本企業を紹介する。譲渡・売却内容やその理由はいかなるものか。

●日本電波工業
【譲渡・売却(予定)日】2020年8月
【事業内容】電波の送受信に使われる水晶デバイスなどを製造。
【譲渡・売却内容】北海道・函館にある子会社NSDの一部株式を中国の投資会社に譲渡。
【その理由】「構造改革によるコスト削減を継続していくと同時に、ビジネスチャンスの果実を刈り取り、確実に利益を確保できる強固な経営体質を構築していくため」(同社リリース)

●太平洋セメント
【譲渡・売却(予定)日】2020年9月
【事業内容】日本最大のセメントメーカーとしてセメント製造を担う。
【譲渡・売却内容】中国にある連結子会社の全株式を中国企業に譲渡。
【その理由】「成長が期待できる投資地域への投資原資として(持分を)回収することが、企業価値向上にとって望ましいと判断」(IR広報グループ)

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