現在、東京・豊島区の池袋駅北口エリアでは、コロナ禍にもかかわらず、中華料理店の開店ラッシュが起き、“新・中華街”として人気スポットになっている。その多くが中国人による経営で、これまでの日本人好みにアレンジされた中華料理ではなく、本場感が強い中国人向けの“ガチ中華”が食べられるとして、在日中国人だけでなく、日本の若い世代からも注目されている。
横浜や神戸の中華街と異なり、すべてが中華一色ではなく、日本の飲食店や物販店に挟まるように混在するのが“新・中華街”の特徴だ。
池袋駅北口と同様に、“新・中華街”と化しているのが埼玉県川口市の西川口駅周辺だ。かつて西川口駅周辺には違法な風俗店が軒を連ねていたが、2000年代後半に警察が一斉に摘発し、空き店舗になった。そこへ中華料理店が続々と入るようになったという。
コロナ禍をものともせず、やはり中国語の簡体字で書かれた看板がそこここにある。
日系の大衆食堂チェーンが抜けた後のテナントにも、昨年12月に中国系の中華料理店がオープンしていた。鴨の頭や舌などの煮付けが名物のようだ。近くで立ち飲み屋「かんづめや」を営む日本人店主はこう語る。
「ここ2年ほどコロナ禍でもぽつぽつと新しい中華料理店が出ていますね。看板も、開店を知らせるチラシも中国語。我々は看板の『鴨』って字しか読めないけど、このあたりは中国人向けの鴨料理の店が多い。普通のラーメンを出す店を探すほうが難しいよ。不思議なのが、コロナもあって西川口は20時すぎたら人気も少ないし、昼間は地元民しかいない。それでも中華料理店はもっているし、新規開店できるのがすごいよね」