投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月31日~2月4日の動きを振り返りつつ、2月7日~2月10日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で722.65円高(+2.70%)と5週ぶりに大幅反発。週足のローソク足も5週ぶりに陽線を形成した。ただ、13週移動平均線(28382.86円)などからの下方乖離率は依然として大きい。
日経平均は週半ばまで戻りを試す展開が続いた。米国市場で注目されていた10-12月期雇用コスト指数の伸びが予想を下回り、長期金利が低下したことが安心感を誘ったほか、アップルやビザの好決算も手伝い、東京市場でもハイテク株を中心に週初から買い戻しが進展。1月中の大幅な株価下落に伴い、年金基金等のリバランス(資産配分の再調整)目的の買いが入ったとの指摘もあった。
その後も、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官から金融引き締めについて慎重に進めることを示唆する発言が相次いだことで投資家心理が改善したほか、米企業のアルファベットやAMDの好決算も寄与し、買い戻しが一段と進展。日経平均は先週末1月28日から2月2日までの4日間だけで1300円超も上昇し、2日は終値で27533.60円まで回復した。
ただ、週後半の3日は、戻り一服が意識されるタイミングで、米メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の決算が失望され、時間外取引でSNS(交流サイト)関連銘柄が揃って急落、ナスダック100先物も時間外で2%超も下落していたことから、東京市場でも売りが広がり、日経平均は292.29円安と5日ぶりに反落した。しかし、一転して5日は198.68円高と反発。決算を発表した米アマゾン・ドット・コムが時間外取引で急伸していたことや、米1月雇用統計を前に持ち高調整に伴う売り方の買い戻しが進んだことで、午前中頃から値を切り上げる展開となった。
今週の日経平均は一進一退か。国内主要企業の決算発表が佳境に入る。世界的な金融引き締め懸念が強まるなか決算を受けた選別物色が進みそうだ。週明けはまず週末に発表された米1月雇用統計の内容を反映することになる。平均賃金の伸びが市場予想並みにとどまっていれば安心感から無難なスタートとなりそうだが、大幅に上振れた場合はインフレ高進・金融引き締め懸念から波乱な出足となろう。