「現役」の2位に入った永守氏の後継候補、日本電産社長・関潤(21位)にも注目が集まる。
「関氏は日産自動車ナンバー3から永守会長にヘッドハントされて日本電産に転じた。経験豊富な関氏だが、独特な社風と会長の高い期待値に応えられるかがカギになるでしょう」(経済ジャーナリストの井上久男氏)
経済ジャーナリスト・有森隆氏は「5年後を占うキーワードは女性の活躍」だと言う。「スタートアップの女性起業家にも目配りが必要になる」(有森氏)が、今回のアンケート中、女性で唯一ランクインしたのはディー・エヌ・エー会長の南場智子(9位)だった。茨城大学名誉教授の古賀純一郎氏が言う。
「傑出した発想力の豊かさが評価され、女性初の経団連副会長に抜擢された。自身が目指す世界に通用するユニコーン企業の日本での発掘が実現すれば、5年後に名経営者の仲間入りをするだろう」
南場氏をはじめとして、世界最大のコンサルティングファーム「マッキンゼー出身者」が多いのも特徴だ。医療情報ポータルサイトを運営するエムスリー社長・谷村格(21位)、ロボアドバイザーによる個人向け資産運用サービスを手掛けるウェルスナビCEO・柴山和久(31位)もマッキンゼーで腕を磨いた。
5年後、日本経済を牽引する経営者が、この中から出てくるだろう。
【アンケートに答えてくれた有識者32人】
相沢幸悦、天野秀夫、有森隆、磯山友幸、井上久男、植木靖男、江上剛、大西康之、岡山憲史、小川孔輔、荻原博子、長田貴仁、柏木理佳、片山修、河野圭祐、小泉深、古賀純一郎、小宮一慶、杉村富生、鈴木貴博、須田慎一郎、関慎夫、田代秀敏、常見陽平、中原圭介、福田俊之、前屋毅、馬渕磨理子、溝上憲文、森功、森岡英樹、森永卓郎(五十音順、敬称略)
※週刊ポスト2022年2月18・25日号