ビジネス

日本最高の経営者、歴代1位は松下幸之助氏「企業は社会の公器」の考え広める

日本経済の礎を築いた松下幸之助氏(写真/共同通信社)

日本経済の礎を築いた松下幸之助氏(写真/共同通信社)

 週刊ポストでは、日本の企業や経営者を長年見続けてきたジャーナリスト、アナリスト、評論家、大学教授ら32人にアンケートを行ない、「最高の経営者」は誰かをランキング形式で選んでもらった。「現役最高」の経営者としては、ソフトバンクグループ社長・孫正義氏や日本電産会長・永守重信氏らが上位に名を連ねたが、それでは「歴代最高」の最高経営者は誰になるのか。(別表参照。文中一部敬称略)

 令和のいまこそ振り返りたい、日本経済の礎を築いた名経営者たち。その多くは敗戦によるショックを乗り越え、激動の昭和を前進し続けたことで、平成・令和の時代まで企業を持続させた。世界中で危機が叫ばれるなか、彼らに学ぶことは多いはずだ。

 歴代トップは、やはり「経営の神様」松下電器産業(現パナソニック)社長・松下幸之助だった。ノンフィクション作家の森功氏は「言わずもがなの名経営者で別格」と即答。その他多くの識者が名前を挙げた。

 創業者としてだけでなく、松下政経塾の創設など、社会への貢献は多岐にわたる。

「企業は社会の公器であるという考え方は松下さんから始まった。いまよく言われるステイクホルダー資本主義を先取りした人です」(『経済界』編集局長・関慎夫氏)

 同じく電機メーカーを率いたのが「メザシの土光」で知られる石川島播磨重工業社長・土光敏夫。現・IHIのカリスマ経営者で、昭和40年には経営危機の東芝を再建すべく、社長に就任。その後は経団連会長を務め、財界総理と呼ばれた。鈴木善幸内閣の下で発足した「土光臨調」は、その後の国鉄などの民営化路線を決定づけた。

「財界を説得することに成功して民営化など規制緩和を推し進めた。日本は欧米に比べると企業の新陳代謝が起きにくい土壌。痛みを伴いながら、あえて改革を断行するリーダーシップはいまの時代においても必要とされるものです」(経営コンサルタントの小宮一慶氏)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。