幅広い支持を集めたのがヤマト運輸社長・小倉昌男である。
「当時の運輸省・郵政省と規制緩和をめぐり真っ向勝負し、郵便以外で初めての物流インフラとなる『クロネコヤマトの宅急便』を作りました。ブレない信念を持った最高の経営者魂の持ち主です。生前よく取材しましたが、理にかなった官僚批判と先見性のある話し方を聞いて頷くことが多かった。江戸っ子らしい『喧嘩の仕方』は鮮やかでした」(経済ジャーナリスト・福田俊之氏)
規制緩和と闘ったタフ・ネゴシエーターとしてだけではなく、慈善家としても知られる。
「ヤマト福祉財団などを設立して社会福祉にも尽力するなど、キリスト教精神に裏付けられた社会貢献意識の高い経営を行なった。まさに、いま求められる経営者像を先取りした人物と言えます」(長田貴仁・流通科学大学特任教授)
【アンケートに答えてくれた有識者32人】
相沢幸悦、天野秀夫、有森隆、磯山友幸、井上久男、植木靖男、江上剛、大西康之、岡山憲史、小川孔輔、荻原博子、長田貴仁、柏木理佳、片山修、河野圭祐、小泉深、古賀純一郎、小宮一慶、杉村富生、鈴木貴博、須田慎一郎、関慎夫、田代秀敏、常見陽平、中原圭介、福田俊之、前屋毅、馬渕磨理子、溝上憲文、森功、森岡英樹、森永卓郎(五十音順、敬称略)
※週刊ポスト2022年2月18・25日号