ランキングには、即席麺を開発した日清食品の安藤百福、欧米式のファストフードを根付かせた日本マクドナルド創業者の藤田田ら、「食」を変革した経営者が並ぶほか、阪急電鉄創業者・小林一三など、暮らしやレジャーを変えた名前も見える。
経済ジャーナリスト・有森隆氏が語る。
「小林は無から有を生み出すのが独創的だった。いまで言うベンチャー起業家の大先達と言える。鉄道沿線の宅地開発をやり郊外住宅、終着駅には宝塚歌劇、始発駅には百貨店。大衆の求めるものを安く提供することで、事業を広げていった。
どれも当時、だれも思いつかなかった先駆的事業ばかりだ」
今日の私鉄経営は小林イズムを踏襲しており、それに倣ったのが西武の堤康次郎、東急の五島慶太だったと言えよう。
日本経済が今後、黄金時代を迎えるためには、先人たちから受け継いだ“大いなる遺産”を知ることから始めるべきかもしれない。
【アンケートに答えてくれた有識者32人】
相沢幸悦、天野秀夫、有森隆、磯山友幸、井上久男、植木靖男、江上剛、大西康之、岡山憲史、小川孔輔、荻原博子、長田貴仁、柏木理佳、片山修、河野圭祐、小泉深、古賀純一郎、小宮一慶、杉村富生、鈴木貴博、須田慎一郎、関慎夫、田代秀敏、常見陽平、中原圭介、福田俊之、前屋毅、馬渕磨理子、溝上憲文、森功、森岡英樹、森永卓郎(五十音順、敬称略)
※週刊ポスト2022年2月18・25日号