マーベル・コミックを原作とした映画シリーズ“マーベル・シネマティック・ユニバース”(以下MCU)の快進撃が続いている。今年1月に日本で公開された映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(世界公開2021年12月)は、世界中で大ヒットを記録。2022年1月末の時点での歴代世界興行収入ランキングは第6位となっている。
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、MCUの最新作。これまでMCUでは27作の劇場公開映画が制作されており、歴代世界興行収入ランキングでは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のほかにも、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)が2位に、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が5位に、『アベンジャーズ』(2012年)が9位に入っている。
歴代世界興行収入ランキングベスト10に4作品も入っているほどに、世界中で多くのファンを獲得しているMCU。その全作品を観ているというフリーライターの大塚ナギサ氏はこう話す。
「MCUは一つの世界を共有していて、作品すべてがつながっているのが大きな魅力です。基本的には、この世界を脅かすヴィラン(悪役)とヒーローとの戦いですが、そのなかに複雑な人間関係やヒーローたちの葛藤が描かれています。
もちろんそれぞれの作品を単体で観ても楽しめます。でも、全部の作品を観ることで、壮大なドラマをよりディープに楽しむことができる。今後も次々と新作が制作されますし、ドラマシリーズなども多く、どこまででも掘っていけるジャンルです。一生楽しめるコンテンツだと思います」
では、そんなMCU作品をすべて観るには、どれくらいの“お金”がかかるのだろうか。動画配信サービスを利用した場合のシミュレーションをしてみよう。
現在、MCU作品が主に配信されているのは、動画配信サービス『ディズニープラス』だ。ディズニープラスの料金は月額990円。ディズニープラスでは、現時点で公開されているMCUの劇場作品27作のうち、22作品が配信されている。
「MCUはすべて“マーベル・スタジオ”の製作で、基本的にはディズニーが配給しています。しかし、『スパイダーマン』の主演作についてはソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが配給なので、ディズニープラスでは配信されていません。また、MCU初期の『アイアンマン』と『インクレディブル・ハルク』についてもディズニー配給ではないため、ディズニープラスでは観られません」(大塚氏・以下同)
さらに、ディズニープラスでは、オリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』『ホークアイ』、アニメシリーズ『ホワット・イフ…?』も配信されている。
「ディズニープラスでは、オリジナルドラマシリーズ以外にも、MCUと同じ世界を共有するスピンオフ的なドラマシリーズ『エージェント・オブ・シールド』や『エージェント・カーター』などの作品も配信されています。これらも含めて、ディズニープラスだけでMCUの大多数の作品を楽しめるということです」