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動画「倍速視聴」に潜む落とし穴 「理解が浅くなり、記憶の定着度下がる」

効率的に動画を見るために「倍速視聴」をしている人は少なくないが…(イメージ)

効率的に動画を見るために「倍速視聴」をしている人は少なくないが…(イメージ)

 ドラマや映画の動画配信やYouTubeなどの動画コンテンツを標準よりも速い速度で再生し、「倍速視聴」をする人が増えているという。それで本当に動画を楽しむことができるのだろうか──。

 録りためたテレビドラマをまとめて見ようとする場合、時間に余裕がないからと10秒や30秒先まで早送りするスキップ機能や、通常の1.3倍のスピードで音声付きの早見再生ができる機能を利用する人が多い。

「海外ドラマを見るときは字幕を読みながらなので、1.3倍くらいのスピードがちょうどよく感じる。CMもスキップさせれば1時間ドラマが30分くらいになるので時間が短縮できて、内容もそれなりにわかる」(53才・主婦)。「バラエティー番組はCM明けに同じことを繰り返すことがあって無駄が多いと感じる。スキップを多用して、見たいところだけを表示再生すれば充分」(32才・会社員)という声もある。

男女年代別、動画コンテンツの倍速視聴経験(2021年クロス・マーケティング調査)

男女年代別、動画コンテンツの倍速視聴経験(2021年クロス・マーケティング調査)

 マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが実施した調査【*】によると、動画視聴者の約3割に倍速視聴の経験があり、特に20代にその傾向は高かったという。

【*注/別掲グラフ1。全国47都道府県の20~69才の男女(1100サンプル)を対象に、2021年3月5日に実施した「動画の倍速視聴に関する調査(2021年)」。調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合がある】

「倍速で見れば、同時間で2~3倍の情報量が得られる。リアルタイムのテレビで映画やドラマを見ていると、スキップできないのがむしろ苦痛に感じる」と言うのは、「Morning Labo」プロデューサーの久保帆奈美さんだ。大学に入った7年前から動画再生の倍速機能を利用するようになり、いまや手放せないという。

「YouTubeを見る際、字幕を利用しているときに、再生速度を変える機能があることを偶然発見しました。ツイッターなどでバズっている動画をチェックしたり、内容だけ知っておきたいものの場合は倍速再生をしています」(久保さん)

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