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戸松信博氏が厳選 株価調整局面で仕込みたい「独自の強み」を持つ注目銘柄10選

ローツェ(東証1部・6323)

 半導体ウエハやフラットパネルディスプレイなどの自動化・搬送装置の開発・製造・販売を手掛けるローツェ。顧客には、世界最大の半導体前工程ファウンドリであるTSMCや、スマホ向け有機ELパネルで世界トップの韓国サムスン電子、世界最大の米半導体製造装置メーカー、アプライド・マテリアルズなどの世界トップ企業が並び、売上の85%を海外が占めている。

 同社の強みは、独自のクリーン搬送技術による製品開発力やグローバルネットワーク体制にある。独自製品とグローバルネットワーク体制を強みにグローバル需要を取り込み、主力の半導体ウエハ搬送機では、世界で第3位、日本ではトップシェアを獲得しています。

SCREENホールディングス(東証1部・7735)

 SCREENホールディングスは、半導体洗浄装置の世界トップメーカー。洗浄装置では世界で圧倒的ポジションを構築しており、「枚葉式洗浄装置」で40%、「バッチ式洗浄装置」で72%のシェアを誇る。

 半導体チップは、シリコンウエハの表面に、洗浄・成膜・塗布・露光・現像・エッチング・不純物注入・剥離などの表面処理工程を繰り返して作られる。同社は、この製造工程のうち前工程における「洗浄」を主力としている。洗浄工程は、全工程の30%近くを占めるといわれる。半導体業界では、半導体チップ1枚当たりのコストをいかに小さくするかが求められ(微細化もその意味合いが大きい)、洗浄工程においてはいかに早く、少ない水でこなすかが生産性向上とメーカーのコスト削減に貢献する。同社は、2023年1月に新工場の操業開始を予定しており、生産能力の強化、生産効率の向上を進めている。

三井物産(東証1部・8031)

 5大商社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)の一角を占める三井物産は、特に資源事業を強みとしている。鉄鉱石価格、原油価格などの市況高の継続により業績が拡大し、株価が上昇。2022年3月期の第3四半期累計実績としては売上・利益共に過去最高を更新している。

 主力の金属資源セクターの利益は、堅調な商品市況や高いコスト競争力、強い事業ポートフォリオによって、力強く伸びている。中でも資源事業の強さが際立つが、機械・インフラ、生活産業、化学品や鉄鋼製品のトレーディングなどといった非資源事業も業績に貢献している。通期の業績予想も前年比150.4%増の8400億円に上方修正したが、現在の市況高が続けば、予想を上回る成長が見込めるだろう。

 また、同社は昨年12月16日に取得価額500億円、株式総数3000万株(発行済株式総数に対する割合1.8%)を上限とする自己株式取得を発表している。第1四半期発表時にも500億円を上限とした自社株買いとなっており、これも株価の上昇に貢献していると言えるだろう。

 以上、10銘柄をピックアップした。市況が低迷する中でも、独自の強みを持つ優良銘柄なら、株価の底打ちを確認してから買いを検討するのも良いかもしれない。

【プロフィール】
戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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