「親のもの」は捨てない
専門家ですら買い直した経験を持つほど、「捨てる」ことは意外と難しい。失敗しないためには、「捨てる順番」に注意したい。西澤さんが語る。
「まず、“段ボール”は迷わず捨てて問題ない。私は家を建てたとき、すぐに使わないものは段ボールに入れたままクローゼットに収納しようとしたのですが、段ボールの中に隠れているものはずっと使わず放置されやすい。段ボールに入れっぱなしのものがあれば、必ず中身を取り出しましょう」
その次に捨てるのは、「期限のあるもの」だ。
「食品や割引券、ポイントカードなどは、期限があるので本当に必要かどうか判別しやすい。それが終わったら、100円ショップの商品や化粧品など、『すぐ買い直しができるもの』を捨てる。その際、家族であっても『人のもの』は絶対に捨ててはいけません。勝手に捨てると、親子関係が悪化する原因にもなります」(西澤さん)
高齢になった親のものを勝手に処分すると、健康被害が起こる恐れがある。
「高齢者は親しみのあるものがなくなると不安を覚えやすい。親の婚礼家具を使いづらいからと新しいものに買い替えるのはNGです。また、親に認知症の傾向がある場合、見慣れないものや、使い慣れないものが増えると脳が混乱し、症状が進行する恐れがあります」(中里さん)
家族のものを処分するときは、よく話し合い、本人が納得してから捨てるのが鉄則だ。
※女性セブン2022年3月3日号