この婚外子をAさんとする。1999年4月、都知事に当選したあとの会見でAさんに関する質問が飛び、石原さんは次のように答えていた。
「事実です。20年前のことで、私にとって若気の至りというか、私の不徳というか」
Aさんは、幼少期を東京で過ごし、その後、母親の出身地である新潟に転居。大学入学を機に再び上京したという。
「大学卒業後、都内ホテルで働いていたと聞いています」(前出・ベテラン政治記者)
現在30代のAさんとは、石原さんは金銭的な支援はしていながらも、ほとんど交流はなかったという。それでも認知しているということは、法的には親子関係にある。
「つまりAさんにも、相続する権利があるということです。その権利は、ほかの4人の子供と同等です。長らく関係がなかったとしても、遺産分割協議の場には参加しなければなりませんし、Aさん抜きで話を進めることはできません。また、成人するまで金銭支援をしていたということですが、それは扶養義務の範囲とされ、Aさんの相続分に影響することもない」(椎葉氏)
血を分けた“5人の息子たち”のことを、石原さんは天国から見つめている。
(了。前編を読む)
※女性セブン2022年3月3日号
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