カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

今後の米利上げペースを読み解く鍵となった「FOMC議事要旨」のポイント

「FOMCの議事要旨」をどう読み解くか(イメージ)

「FOMCの議事要旨」をどう読み解くか(イメージ)

 アメリカの利上げ動向に注目が集まる中、FOMC(米連邦公開市場委員会)でどのような発言がなされているのか、市場関係者たちは注視している。2月16日には「FOMCの議事要旨」が発表されたが、その内容が為替相場にどのような影響を与えるのか。FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、今回発表されたFOMC議事要旨のポイントを解説する。

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 FOMCでは政策金利の発表やFRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長の会見等があり、そこで発表されたコメントや質疑応答から中央銀行の政策スタンスを推測できます。そして会合の3週間後には、「FOMCで誰がどのような発言をしたのか」という議事要旨が公表されます。

 FOMC議事要旨ではFOMCメンバーの金融政策に対する考え方が細かく分かるため、多くの市場関係者が注目しています。2月16日に公開された議事要旨は、ほぼ事前予想通りの内容でしたが、公表後に株価が上昇し、ゴールドの価格も上昇、米長期金利は一旦低下するような動きを見せました。

 その背景には、セントルイス地区連銀ジェームズ・ブラード総裁が「7月までに1%程度の利上げを望む」と発言するなど、直近でタカ派的な発言が目立っていたことがあります。「FOMCでも同様のタカ派発言が多かったのであれば、利上げペースが予想より早まるのではないか」との思惑があったようですが、実際の議事要旨を見るとそんなことはなく、その後の株高や金利低下につながりました。

 FOMC議事要旨で注意したいのは、その内容が必ずしも「現在のマーケット状況」を踏まえてのものではない、ということです。FOMCを終え、議事要旨が発表されるまで3週間あり、その間、雇用統計など経済指標に変化があれば、FOMCメンバーの意見も変わるケースがあります。今回のFOMC議事要旨に関心が寄せられていたのは、利上げペースを早めるような内容が記載されているのではないか、と予想されていたためですが、議事要旨が発表されたからといって、それが常にマーケットに影響を及ぼすわけではありません。

 FOMC議事要旨の内容や経済指標の数値等は、公表されるまでは誰にも分からず、それを完璧に予想してトレードすることは不可能です。マーケット参加者がどのように相場を見ているのかは、長年の経験から推測できるものですが、こればかりは私にも分かりません。

 とはいえ、相場の世界では「チャートは全ての事象を織り込む」という考えもあります。「すべてのイベントやマーケットの考えは、チャート上の値動きに反映されている」と想定し、トレードするスタイルです。ニュースなどに一喜一憂して取引がうまくいかない人は、あまりそこに振り回されず、チャート分析を中心にトレードするという選択肢もあるのではないでしょうか。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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