コロナ禍で自宅時間が増え、家の中の整理をした人も多いはず。しかし、一方で“ものを捨てたくても捨てられない”という人も少なくない。『女性セブン』の会員サイト2997人に片付けに関するアンケートを行ったところ、「自分はものが捨てられないタイプだ」と答えた人は約半数だった。
整理収納アドバイザーの長谷由美子さんは、「相談者の多くが、使わないものを取っておく理由を『何かに使えるかもしれないから』と言います。壊れたテレビを、『売れるかも』と言って、新しいテレビの裏側に置いていた人も! 場所も取るし、見た目も悪いのに」と笑う。
ものを所有する感覚も、世代によって違うようだ。整理収納アドバイザーの中山真由美さんによると、「団塊の世代が育った高度経済成長期は“ものがたくさんあることがいい暮らし”とされていましたので、ものが少ないと不安になるという人も多い。
一方、40代後半~60代になると、バブル期を象徴するブランド品や毛皮など高額なものを捨てられない傾向に。懐かしさだけでなく、バブル崩壊を経て『二度と買えないかも』という危機感も大きいのでは」と言う。
さらに、メルカリなどのフリマアプリを使いこなす若者たちは、他世代より手放すことへの抵抗感が少なくなっている。
捨てられない人の中にはトラウマが潜んでいる可能性もあると、整理収納アドバイザーの藤岡聖子さんは指摘する。
「幼少期、親に勝手にものを捨てられていた経験から、『手放すと二度と手に入らない』と、無意識に思い込んでいた例もありました」